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2019.08.13
肥料

何故、堆肥を先にする必要があるのか? 土壌造りの基礎知識

肥沃な土壌とは?と聞かれたらどう説明しますか?

色々な視点はありますが、農業の中で共通しているものは、
イオンを吸着・保持する能力の大きさを示すCEC(陽イオン交換容量)と、そこに吸着している養分量を示す塩基飽和度の関係が
『肥沃な土壌』を説明するのに最適だということです。



理由は、

土壌を人間の身体に例えると、CEC(陽イオン交換容量)は胃袋の大きさ、つまり養分を蓄えられる量。
塩基飽和度は満腹度合、すなわち養分の充填度と考える事が出来るからです。

後は、胃袋の大きい土壌に、良質な栄養をたっぷりと与えてあげれば、
素晴らしい肥沃な土壌が出来上がる!という訳です。 ※植物の成長に必要な栄養はまた別です。

CECの大きさは、土壌の状態(粘土)の種類によって異なります(表1)。
※1:1型のカオリナイトやハロイサイトと比較し、2:1型のスメクタイトやモンモリロナイトの方が陽イオンを多く保持できます。
 何といっても腐植は最高です♪

表1)粘土の種類とCEC

粘土の種類 CEC(meq/100g)
カオリナイト(1:1型) 3~15
ハロイサイト(1:1型 10~40
スメクタイト(2:1型) 80~150
モンモリロナイト(2:1型) 80~150
アロフェン 30~200
腐植 30~280
 
これをご覧頂いただけでもお分かりですが、
APEX-10は天然腐植酸です。 腐植=肥沃な土壌ということが良く分かるかと思います。



さて、鳥取は砂丘が有名で、砂地を利用したラッキョウ栽培や長芋栽培などが有名ですが、
生育中に数回にわたる追肥を欠かすことができません。

これは、砂丘土壌は粘土が少なくCECが低いので作物によって吸収されて無くなった養分を随時補給する必要があるからです。
結果として、低CEC土壌で養分を流出させず作物に供給するには、堆肥の施用が効果的だとわかりました。


(表2)に堆肥の種類とC/N比、無機化率を示しました。
最もC/N比の高いバーク堆肥の無機化率は年間7%程度で肥効が穏やかなことがわかります。

表2)堆肥の種類とC/N比・無機化率

  発酵
鶏ふん堆肥
鶏ふん
もみ殻堆肥
バーク堆肥
C/N比 7 15 21
1年目 無機化割合(%) 54.6 38.0 7.4
2年目 無機化割合(%) 19.2 17.5 13.5
3年合計 無機化量(g/m3 7.38 5.55 2.09
割合(%) 73.8 55.5 20.9



堆肥は緩やかに分解され徐々に無機化した養分を放出するので、
適量の施用は流亡もなく、植物に必要な栄養を供給することができるのです。


一方、発酵鶏ふんは無機化スピードが早く、化学肥料と同等の即効性が期待できます。
肥料は含まれる炭素量(C/N比)が少なくなるほど肥効が早くなるので、C/N比や含まれる養分量を考慮し最適なものを選びましょう

 


簡単にまとめると、CEC(陽イオン交換量)が多い腐植土は、
団粒化を含めた、土壌を健康な状態にするには最高のものであり、堆肥はそれらを支えるものとして最適である、
ということです。

まずは、この状態を作ってあげないと、
いくらアミノ酸肥料(チッソ肥料)を与えても、流亡するものも多く、無駄がとても多くなってしまうということです。

次は、どのようなアミノ酸肥料(チッソ肥料)が良いのか見て行きましょう。


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