農業資材を考える ~ミネラル肥料 そしてアミノ酸肥料と堆肥~ ②
前回、肥料を農業資材として捉えた場合、3つに分類されるとご説明しました。
中でもミネラル肥料中心にご案内をしましたが、今回は「窒素」 アミノ酸肥料と堆肥についての案内です。
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アミノ酸肥料の一つとして、ボカシ肥料があります。
チッソの多い有機物を発酵させた肥料のことですが、市販のものもあれば自分で作っていらっしゃる農家もあります。
ただ、このボカシ肥料自体の認識が今一つ理解されていないようなケースも見られます。
極端な例として、カビがまたっていて甘い匂いがしている状態のものをボカシ肥料として使っているケース。
この状態でボカシ肥が完成した!と畑にまいている農家の方は、少なからずいらっしゃいます。
カビの仲間は、有機物分解において初期に出てくる微生物で、
この状態ではボカシはまだ発酵の途中。
難点は、この中途半端な有機物を良い菌が分解してくれるのなら良いのですが、
土壌病原菌のエサになってしまうと、病気が増殖しかねないのです。
まだ未発酵状態のボカシを、さらに発酵を進めてあげると、
甘い匂いではなく、味噌や醤油のような香ばしい匂いになります。
ここまでくると、タンパク質がアミノ酸レベルまで分解された証拠です。
お米を発酵させて造られる「日本酒」と比較すると分かりやすいので、
流れを比較してみましょう。
◆日本酒の場合
米(デンプン) + 麹菌・・・・酒精酵母 ⇒ お酒
◆発酵肥料(アミノ酸肥料)の場合
有機物 +酵母菌・納豆菌など ⇒ アミノ酸(水溶性の有機態チッソ)
さて、C/N比のブログでもご説明しましたが、稲わらやオガクズなどを畑に与えている人もいますが、
これらは分解が進んでいない未熟堆肥になります。
逆に、分解が進み過ぎても力のない堆肥になっていることもあります。
この場合ですと、土は良くなっても土壌病害虫には対抗できないケースが多いのです。
※力なのない堆肥
水を加えても発酵しないほど分解の進んでいる完熟堆肥の事。
土の腐植の増加や団粒構造をある程度発達させるには良いが土壌病害虫を抑え込む力はあまりない。
これは、完熟堆肥への誤解があるようです。
完熟堆肥は、そもそも分解する有機物そのものが少なくなっていますから、有用微生物の数は多くはありません。
増えるためのエサがなくなっているのですから、当然の事です。
ですから、理想は完熟堆肥の少し手前の状態、いわゆる中熟堆肥のほうが有用微生物も多いので
総体的には完熟堆肥よりも力があるのです。
ただし、中熟堆肥が仕上がり、畑に入れてからはしばらく作付けしないことがポイントです。
なぜなら、まだエサが残っている有用微生物がいるといっても、しっかりと増えてくれた方が
その力を最大限に発揮してもらえます。 その為、中熟堆肥をまいてから、おおよそ3週間程度は養生期間を設けることをお勧めします。
さて、もう一つに資材、アミノ酸肥料です。
アンモニアや硝酸からタンパク質を作る化学肥料と、
アミノ酸肥料の大きな違いは、アミノ酸肥料の狙いが作物に有機態チッソを供給することです。
さらに、化成のチッソ肥料との違いは、
アミノ酸肥料が炭水化物を持った肥料だということです。
ですから、アミノ酸肥料をチッソ肥料として施肥すると、
作物はチッソだけでなく炭水化物も根が吸収できます。
つまり、光合成で作られた炭水化物と合わせて、作物は両方の炭水化物を利用できるため、
生育が、化成肥料とは大きく変わってくるというわけです。
(※光合成=炭水化物生産をおこなう基本 ⇒ 生育初期の葉を大きく充実したものにする)
補足ですが、有用微生物が発酵しているアミノ酸肥料ですが病害虫を抑える力はあまりありません。
なぜなら、アミノ酸肥料は西遊的には原料のタンパク質をアミノ酸にまで分解する酵母菌によって発酵を進めますが、
この酵母菌に、土壌病害を抑える力はあまりないのです。
もちろんアミノ酸を作る過程で、納豆菌や放線菌も増殖しています。
納豆菌は、細胞膜が繊維でできている病原菌は抑えることができますし、放線菌は抗生物質をつくり、
有害微生物を抑えてくれます。
またキチナーゼというキチン物質を分解する酵素も持っているので、フザリウム菌やセンチュウなど表皮がキチン質で覆われている
土壌病害虫も抑えられます。
ですが、アミノ酸肥料はあくまでチッソ肥料で、10アールに100kg~200kg程度の施肥量です。
この程度では、到底土壌全体に棲みついている土壌病害虫は抑えられません。
だからこそ、土壌病害虫を抑えるために、堆肥(中熟堆肥)が力を発揮するのです。
アミノ酸表記法
アミノ酸 | ||||
3文字 | 名称 | 構造式 | ||
1 | Ser | セリン | ||
2 | Thr | スレオニン(トレオニン) | ||
3 | Tyr | チロシン | ||
4 | Gly | グリシン | ||
5 | Ala | アラニン | ||
6 | Val | バリン | ||
7 | Leu | ロイシン | ||
8 | Ile | イソロイシン | ||
9 | Phe | フェニルアラニン | ||
10 | Asp | アスパラギン酸 | ||
11 | Asn | アスパラギン | ||
12 | Glu | グルタミン酸 | ||
13 | Gln | グルタミン | ||
14 | Met | メチオニン | ||
15 | Cys | システイン | ||
16 | His | ヒスチジン | ||
17 | Lys | リジン | ||
18 | Pro | プロリン | ||
19 | Trp | トリプトファン | ||
20 | Arg | アルギニン |
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